NBAのMAX契約とは?
労使協定(CBA)と、NBAが作成した労使協定の要点まとめ(CBA 101)で確認できる内容をもとにした、当サイト独自の解説です。
Summary
まず結論
- ・MAX契約は、ルール上もっとも高い年俸で結ぶ契約のことです。
- ・上限の金額は決まった額ではなく、サラリーキャップに対する割合(25%・30%・35%)で決まり、在籍年数が長いほど割合が高くなります。
- ・元のチームがBird権を使って再契約する場合は、契約年数や昇給の上限が他チームとの契約より有利になります。
ご注意:このページは一般的な制度の解説です。個別の契約には、ここで扱っていない例外や条件があります。実際の契約内容は、各契約の公式な情報で確認してください。
How it works
MAX契約はサラリーキャップの割合で決まる
- 上限は「1年目の年俸」にかかる:最高年俸のルールは、契約の1年目(延長契約なら延長部分の1年目)の年俸に適用されます。2年目以降は、昇給のルールの範囲で決まります。
- 金額ではなく割合で決まる:上限は「サラリーキャップの○%」という形で決まります。CBAでは、契約を結んだ時点のサラリーキャップが基準になると定められています。そのため、キャップが上がれば、同じ割合でも上限の金額は上がります。
- 前の契約の年俸が高い場合:前の契約の最終シーズンの年俸の105%が、割合で決まる上限より大きい場合は、その105%が上限になります。
Years of service
在籍年数と上限の割合(25%・30%・35%)
原則となる上限は、選手の在籍年数(Years of Service)によって3つに分かれます。
| 在籍年数 | 1年目の年俸の上限 |
|---|---|
| 0〜6年 | サラリーキャップの25% |
| 7〜9年 | サラリーキャップの30% |
| 10年以上 | サラリーキャップの35% |
- 0〜6年
- サラリーキャップの25%
- 7〜9年
- サラリーキャップの30%
- 10年以上
- サラリーキャップの35%
- 在籍年数は、レギュラーシーズン中に1日以上NBAのロスター(アクティブまたはインアクティブ)に入っていたシーズンを1年として数えます。
- 経験を積んだ選手ほど、上限の割合が高くなる仕組みです。
Higher maximum
元のチームとの契約で認められる上位の上限
原則の割合より高い上限が認められるのは、元のチームとの延長契約・再契約で、成績や在籍の条件を満たす場合に限られます。
- 4年目を終えた選手:ルーキー契約の延長、または元のチームとFAとして再契約する場合、Higher Max Criteria(オールNBAチーム・最優秀守備選手・MVPなどの選出条件)を満たせば、上限が25%から30%に上がります。
- 7〜9年目の選手:Higher Max Criteriaを満たし、最初の4年間に移籍していない(トレードによる移籍は除く)などの条件のもとで、元のチームと決められた年数の延長契約・再契約を結ぶ場合、上限が35%になります(Designated Veteran Player Extension / Contract)。
※ 対象となる在籍年数や契約年数、成績の条件には細かな決まりがあります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。
Length & raises
契約年数と昇給率
最長の契約年数
- 元のチームがBird権を使って再契約する場合:最長5年
- キャップスペースを使う契約や、Early Bird権・Non-Bird権を使う再契約など:最長4年
- 延長契約は、ルーキー契約の延長とDesignated Veteran Player Extensionが最長6年、その他の延長が最長5年(元の契約の残り年数を含む)
昇給の上限
- 2年目以降の年俸は、1年目の年俸の一定割合までしか増減できません。
- 元のチームがBird権・Early Bird権を使う再契約と延長契約:1年目の年俸の8%まで(サイン・アンド・トレードなどの場合を除く)
- それ以外の契約(他チームとの契約など):1年目の年俸の5%まで
昇給は「1年目の年俸の○%」の額ずつ毎年増やせるため、最大まで上げた場合の年俸は次のように推移します。
| 契約年 | 8%の場合 | 5%の場合 |
|---|---|---|
| 1年目 | 100 | 100 |
| 2年目 | 108 | 105 |
| 3年目 | 116 | 110 |
| 4年目 | 124 | 115 |
| 5年目 | 132 | —(最長4年) |
※ 年俸の金額ではなく、1年目を100とした比率です。5%の契約の多くは最長4年のため、5年目は空欄にしています。
Own team vs. new team
所属チームとの再契約と、他チームとの契約の違い
上限の割合そのものは原則として同じですが、元のチームとの再契約のほうが、総額を大きくしやすい仕組みになっています。
| 項目 | 元のチームとの再契約 | 他チームとの契約 |
|---|---|---|
| 最高年俸(原則) | 在籍年数に応じて25%・30%・35% | 在籍年数に応じて25%・30%・35%(原則は同じ) |
| 上位の上限 | 条件を満たせば、4年目終了時の30%や、7〜9年目の35%といった上位の上限を使える場合がある | 使えない(元のチームとの契約だけの仕組み) |
| 昇給の上限 | Bird権・Early Bird権を使う再契約は、1年目の年俸の8%ずつ | 1年目の年俸の5%ずつ |
| 最長の契約年数 | Bird権を使う再契約は5年 | キャップスペースなどを使う契約は4年 |
- 最高年俸(原則)
- 元のチーム:在籍年数に応じて25%・30%・35%
- 他チーム:在籍年数に応じて25%・30%・35%(原則は同じ)
- 上位の上限
- 元のチーム:条件を満たせば、4年目終了時の30%や、7〜9年目の35%といった上位の上限を使える場合がある
- 他チーム:使えない(元のチームとの契約だけの仕組み)
- 昇給の上限
- 元のチーム:Bird権・Early Bird権を使う再契約は、1年目の年俸の8%ずつ
- 他チーム:1年目の年俸の5%ずつ
- 最長の契約年数
- 元のチーム:Bird権を使う再契約は5年
- 他チーム:キャップスペースなどを使う契約は4年
- 契約年数が長く、昇給の上限も高いため、同じ1年目の年俸でも、元のチームとの再契約のほうが契約総額の上限は大きくなります。
- 上位の上限(30%・35%)は元のチームとの契約に限られるため、条件を満たす選手にとっては、元のチームが提示できる上限のほうが高くなる場合があります。
※ Bird権の有無、サイン・アンド・トレード、延長契約かどうかなどで適用されるルールが変わります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。
Glossary
関連用語
- Years of Service(在籍年数)
- NBAでの経験年数。レギュラーシーズン中に1日以上、アクティブまたはインアクティブのロスターに入っていたシーズンを1年と数える(1シーズンにつき最大1年)。
- 最高年俸(Maximum Annual Salary)
- 契約の1年目に払える年俸の上限。サラリーキャップに対する割合で決まる。2年目以降は昇給のルールで決まる。
- Bird Rights / Early Bird Rights
- 元のチームが、自チームのFA選手とキャップを超えていても再契約できる権利。この権利で再契約すると、昇給の上限が8%になる。
- Higher Max Criteria
- 上位の上限を使うための成績条件。直前のシーズン(または直近3シーズンのうち2シーズン)にオールNBAチームか最優秀守備選手に選ばれる、または直近3シーズンのいずれかでMVPに選ばれること。
- Rookie Scale Extension
- ドラフト1巡目で入団した選手が、ルーキー契約の期間中に元のチームと結ぶ延長契約。
- Designated Veteran Player Extension / Contract
- 一定の条件を満たす7〜9年目の選手が元のチームと結ぶ延長契約・再契約で、1年目の年俸の上限が35%になる。
- サラリーキャップ
- 1チームが選手に払う年俸総額の基準となる上限。MAX契約の上限額は、この金額に対する割合で決まる。
リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。
Official sources
公式一次資料
- 2023 NBA Collective Bargaining Agreement(PDF・英語) ↗
NBA ・ 2023年7月1日発効(2029-30シーズンまで)
第2条(Article II)Section 7:最高年俸(Maximum Annual Salary)/第1条:Years of Service(在籍年数)の定義
- CBA 101: Highlights of the Collective Bargaining Agreement(PDF・英語) ↗
NBA ・ 2024年11月作成
II.G「Contract Structure Rules」:最高年俸の区分、元のチームとの契約での上位の上限、昇給率、契約年数
このページは上記の公式資料をもとにした当サイト独自の解説です。協定の条文を転載・翻訳したものではありません。