過去事件サラリーキャップ迂回に関する処分

サラリーキャップ迂回に関する処分

NBAの公式発表と労使協定(CBA)をもとにした、当サイト独自の解説です。事実は公式発表で確認できる内容、解説は当サイトによる制度の説明です。

Summary

まず結論

  • ・2026年9月2日、NBAは、LAクリッパーズとカワイ・レナード選手が、労使協定のサラリーキャップ迂回に関するルールに違反したとして処分を発表しました。
  • ・NBAは、球団が選手と取引先企業との間の副収入の機会をつくり、選手側の個人的な経費を支払ったことなどを認定しました。
  • ・球団には5年分のドラフト1巡目指名権の没収と3,000万ドルの罰金が科され、オーナーや幹部も資格停止などの処分を受けました。

事案は終結したとは限りません:NBAは発表で、法律事務所が引き続き調査に関係する情報を受け付けており、リーグは必要に応じてさらなる措置を検討するとしています。このページは2026年9月の発表時点の内容をまとめたもので、この事案が完全に終結したと断定するものではありません。

ご注意:このページは、NBAの発表で認定された事実と処分を、発表の内容に沿ってまとめたものです。発表に書かれていない経緯や金額、関係者の意図についての推測・評価は載せていません。

Timeline

事実発表の経過

  1. 2026年9月2日

    NBAが調査の結果と処分を発表

    NBAは、LAクリッパーズとカワイ・レナード選手が、労使協定(CBA)のサラリーキャップ迂回(Circumvention)に関するルールに違反したとして、処分を発表しました。認定は、法律事務所による独立した調査で得られた情報にもとづくとされています。

    根拠:NBA Communications(2026年9月2日)

  2. 2026年9月14日

    クリッパーズのオーナーが声明を発表

    クリッパーズのオーナー、スティーブ・バルマー氏は声明で、ファンや関係者に謝罪し、主たるオーナーとして責任を受け入れると述べました。あわせて、リーグの処分に従い、罰金を支払ったことを明らかにしました。一方で、報告書の認定については意見の相違が残っているとも述べています。

    根拠:NBA.com(2026年9月14日公開)

Findings

事実NBAが認定した内容

NBAの発表によると、調査では、球団の組織による不正行為のパターンと、複数の重大なルール違反が認定されました。発表された主な内容は次のとおりです。

  • 球団:選手と、球団と取引のある4社(Aspiration Partners、Boingo Wireless、Daktronics、Lockton Insurance)との間の副収入の機会を球団側から持ちかけ、スポンサー契約の成立を手助けし、球団との取引を示して企業に契約を促したこと。また、選手とその関係者の個人的な経費を支払ったこと、選手の当時のビジネス・マネージャーを通じた不適切な働きかけを報告しなかったこと。
  • オーナー:選手が副収入の機会を得られるよう、知りながら手助けしようとしたこと、Aspirationが選手とスポンサー契約を結ぶ前提条件だと知っていた取引を承認したこと、組織がルールを守る体制をつくらなかったこと。
  • 選手:選手の当時のビジネス・マネージャーを通じて、副収入の機会を得られるよう球団に働きかけ、実際にその機会を得たこと、球団が支払った個人的な経費を返さなかったこと。
  • 以前の違反:発表では、クリッパーズはサラリーキャップ迂回のルールについて以前にも違反した球団であるとされています。

Penalties

事実処分の内容

LAクリッパーズ(球団)
2029〜2033年の5年分のドラフト1巡目指名権を没収、3,000万ドルの罰金。球団と関係者は、リーグが監督するコンプライアンス・監視の対象(5年間)
スティーブ・バルマー氏(オーナー)
リーグと球団のすべての活動から1年間の資格停止
ジリアン・ザッカー氏(ビジネス部門の責任者)
1年間の無給の資格停止
ローレンス・フランク氏(バスケットボール部門の責任者)
6か月間の無給の資格停止
カワイ・レナード選手
リーグへ70万ドルを支払う
デニス・ロバートソン氏(選手の当時のビジネス・マネージャー)
5年間、選手などの代理としてNBAの球団と関わることを禁止

※ 肩書きはNBAの発表時点のものです。発表では、選手の契約の扱いについては触れられていません。

  • 処分の確定:NBAと選手会(NBPA)は、これらの処分がすべての当事者にとって最終的で拘束力があることを確認する合意を結んだとされています。
  • 調査の継続:発表では、法律事務所は引き続き調査に関係する情報を受け付けており、リーグは必要に応じてさらなる措置を検討するとされています。

Explanation

解説関係する労使協定のルール(制度面の説明)

  • ルールの迂回の禁止:労使協定の第13条は、サラリーキャップやその例外、最大年俸などのルールの目的をすり抜けるための合意や取引を、リーグ・選手会・球団・選手のいずれにも禁じています。
  • 第三者を通じた支払い:同じ条文では、球団がスポンサーや取引先などの第三者と合意し、その第三者が契約中の選手に、バスケットボールの対価としての報酬を支払うこと(名目が別の仕事であっても)を、ルールの迂回にあたると定めています。
  • 届け出ていない合意の禁止:球団と選手の間で、NBAに届け出ていない報酬や、投資・ビジネスの機会などについて合意することも禁じられています。

※ NBAの発表は、どの条文のどの規定に違反したかまでは示していません。このページでは、関係する協定のルールを紹介しています。

関連ガイド:NBAサラリーキャップとは?(基本の仕組み・例外)

Related

関連ガイド

サラリーキャップのルールをめぐる過去の事例は、次のガイドでも解説しています。

関連ガイド:ジョー・スミス事件とは?(2000年の秘密の合意と処分)

関連ガイド:NBAのタンパリング事例とは?(処分が公表された事例)

関連ガイド:NBAのドラフト指名権とは?(指名権の基本とトレードのルール)

Glossary

関連用語

Circumvention(ルールの迂回)
サラリーキャップなどの労使協定のルールを、合意や取引によってすり抜けようとすること。協定の第13条で禁止されている。
サラリーキャップ
チームの年俸総額の基準となる上限。例外を使わない限り、これを超える契約や獲得はできない。
ドラフト指名権の没収
ルール違反に対する処分として、球団の指名権をなくすこと。

リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。

Sources

出典(公式発表・協定)

このページは上記の公式発表・協定をもとにした当サイト独自の解説です。発表文や条文を転載・翻訳したものではありません。

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