過去事件ジョー・スミス事件

ジョー・スミス事件とは?

当時のNBAの発表を伝えた報道と、労使協定(CBA)をもとにした、当サイト独自の解説です。事実は報道で確認できる内容、解説は当サイトによる制度の説明です。

Summary

まず結論

  • ・2000年10月、NBAは、ミネソタ・ティンバーウルブズとジョー・スミス選手らが、サラリーキャップのルールに違反する秘密の合意を結んでいたとして処分を発表しました。
  • ・処分は、5年分のドラフト1巡目指名権の没収、350万ドルの罰金、スミス選手の契約の無効などです。
  • ・その後、オーナーの資格停止と幹部の休職が決まり、没収された指名権のうち2つは球団に戻されました。

ご注意:このページは、公表された処分と報道で確認できる経過をまとめたものです。関係者の意図や、報道で確認できない事情についての推測・評価は載せていません。

Timeline

事実事件の経過

  1. 2000年10月

    仲裁人が「秘密の合意」があったと判断

    NBAの仲裁人が、ミネソタ・ティンバーウルブズ、ジョー・スミス選手、代理人のエリック・フライシャー氏が、サラリーキャップのルールに違反する秘密の合意を結んでいたと判断しました。報道によると、球団はNBAに1年契約として届け出ていましたが、実際には、将来の複数年契約についての合意がありました。

    根拠:CBS News(AP配信、2000年10月25日)

  2. 2000年10月25日

    NBAコミッショナーが処分を発表

    • 2001年から2005年までの5年分のドラフト1巡目指名権の没収
    • 球団に350万ドルの罰金
    • スミス選手の2000-01シーズンの契約と、それ以前の同球団との契約の無効

    根拠:CBS News(AP配信)、ABC News(いずれも2000年10月25日)

  3. 2000年10月

    スミス選手はフリーエージェントに

    契約が無効になったことで、スミス選手はフリーエージェントとなり、同球団で積み上げていたBird Rightsも失ったと報じられました。

    根拠:ABC News(2000年10月25日)

  4. 2000年12月

    オーナーの資格停止と幹部の休職、指名権1つを返還

    球団オーナーのグレン・テイラー氏が資格停止を、バスケットボール部門の責任者だったケビン・マクヘイル氏が休職を受け入れ、いずれも2001年の夏まで続くと報じられました。これを受けて、NBAは没収した5つの指名権のうち1つを球団に戻しました。

    根拠:ABC News(2000年12月6日)、ESPN.com(2000年12月9日)

  5. 2001年12月28日

    2005年の1巡目指名権も返還

    NBAは、2005年のドラフト1巡目指名権を球団に戻しました。報道によると、コミッショナーは、すでに科された処分と、その後の球団の行動を理由に挙げています。

    根拠:ESPN.com(AP配信、2001年12月28日)

Explanation

解説なぜ問題になったのか(制度面の説明)

  • 届け出た契約と実際の合意が違う:サラリーキャップは、球団がNBAに届け出た契約にもとづいて運用されます。届け出た契約とは別に将来の契約を約束すると、キャップのルールが意味をなさなくなります。
  • 現在の協定での扱い:現在の2023年の労使協定(CBA)でも、第13条で、協定の目的をすり抜けるための合意や取引(Circumvention)と、NBAに届け出ていない将来の契約についての合意が禁止されています。
  • Bird Rightsとの関係:Bird Rightsは、一定の期間同じ球団でプレーした選手と、その球団がキャップを超えて再契約できる仕組みです。契約が無効になったことで、スミス選手はこの権利も失いました。

※ 第13条の内容は現在の2023年CBAのもので、2000年当時の協定の条文ではありません。制度の考え方を説明するために参照しています。

関連ガイド:NBAのBird Rightsとは?(自チームの選手と再契約できる権利)

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関連ガイド

サラリーキャップの仕組みや、ほかの過去の事例は、次のガイドで解説しています。

関連ガイド:サラリーキャップ迂回に関する処分(2026年9月のNBA発表)

関連ガイド:NBAのタンパリング事例とは?(処分が公表された事例)

関連ガイド:NBAサラリーキャップとは?(基本の仕組み・例外)

Glossary

関連用語

Bird Rights
一定の期間同じ球団でプレーした選手と、その球団がサラリーキャップを超えて再契約できる権利。
Circumvention(ルールの迂回)
サラリーキャップなどの労使協定のルールを、合意や取引によってすり抜けようとすること。協定で禁止されている。
仲裁人(Arbitrator)
労使協定などをめぐる争いについて、判断を示す第三者。

リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。

Sources

出典(公式発表・報道・協定)

このページは上記の報道・協定をもとにした当サイト独自の解説です。記事や条文を転載・翻訳したものではありません。

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