契約Bird Rights

NBAのBird Rightsとは?

労使協定(CBA)と、NBAが作成した労使協定の要点まとめ(CBA 101)で確認できる内容をもとにした、当サイト独自の解説です。

Summary

まず結論

  • ・Bird Rightsは、チームが自チームのFA選手と、サラリーキャップを超えていても再契約できる仕組みです。
  • ・同じチームで何シーズン続けてプレーしたかによって、Bird・Early Bird・Non-Birdの3種類に分かれ、出せる年俸や契約年数が変わります。
  • ・強力な仕組みですが、選手は他チームとも交渉できるため、必ず希望どおりに再契約できるわけではありません。

ご注意:このページは一般的な制度の解説です。個別の契約には、ここで扱っていない例外や条件があります。実際の契約内容は、各契約の公式な情報で確認してください。

What it is

Bird Rightsとは何か

  • 自チームのFA選手との再契約のための例外:Bird Rightsは、サラリーキャップのルールにある「例外」の1つです。CBAでは「Qualifying Veteran Free Agent Exception」という名前で定められています。
  • キャップを超えていても再契約できる:通常、キャップを超えているチームは、キャップスペースを使って選手と契約することができません。Bird Rightsを使えば、キャップを超えていても自チームのFA選手と再契約できます。
  • 1年目は最高年俸まで出せる:Bird Rightsの対象になる選手とは、契約の1年目に、その選手の最高年俸(MAX)までの年俸で再契約できます。

関連ガイド:NBAサラリーキャップとは?(キャップスペースと例外の基本)

Why it matters

Bird Rightsがチームにとって重要な理由

  • キャップを超えたチームの数少ない手段:キャップを超えているチームは、他チームのFA選手を大きな金額で獲得するのが難しくなります。一方、自チームの選手であれば、Bird Rightsで引き留められます。
  • 長く、昇給も大きい契約にできる:Bird Rightsを使う再契約は最長5年、昇給の上限は1年目の年俸の8%です。他チームとの契約(多くは最長4年・昇給5%)より、契約総額を大きくしやすくなります。
  • 主力を育てて残せる:ドラフトやトレードで加わった選手を育て、その後も手元に残せることが、チーム作りの土台になります。

関連ガイド:NBAのMAX契約とは?(最高年俸・契約年数・昇給率)

Three types

Bird・Early Bird・Non-Birdの違い

自チームのFA選手との再契約に使える例外は、同じチームで何シーズン続けてプレーしたかによって3種類に分かれます。

Bird
Qualifying Veteran Free Agent Exception
必要な在籍期間:FAになる直前の3シーズン連続で、そのチームでプレー
1年目の年俸の上限:選手の最高年俸(MAX)まで
契約年数:最長5年
昇給率:1年目の年俸の8%まで
Early Bird
Early Qualifying Veteran Free Agent Exception
必要な在籍期間:FAになる直前の2シーズン連続で、そのチームでプレー
1年目の年俸の上限:前の契約の最終シーズンの年俸の175%、または前シーズンの平均年俸の105%の、大きいほうまで
契約年数:最長4年(2年以上の契約が必要)
昇給率:1年目の年俸の8%まで
Non-Bird
Non-Qualifying Veteran Free Agent Exception
必要な在籍期間:BirdにもEarly Birdにも当たらない自チームのFA選手
1年目の年俸の上限:前の契約の最終シーズンの年俸の120%、その選手の最低年俸の120%、制限付きFAならクオリファイング・オファーの額の、最も大きいものまで
契約年数:最長4年
昇給率:1年目の年俸の5%まで
  • 「そのチームでプレー」は、各シーズンの全部または一部を、ほかのチームではなくそのチームでプレーしていたことを指します。
  • Bird・Early Birdで結んだ契約でも、サイン・アンド・トレードの場合は昇給の上限が5%になります。
  • Non-Birdは、Bird・Early Birdほど高い年俸は出せませんが、キャップを超えていても自チームのFA選手と再契約できる点は共通です。

関連ガイド:NBAのミニマム契約とは?(Non-Birdの上限に関わる最低年俸)

Trades

トレードされた選手のBird Rightsの扱い

  • トレードでは連続シーズンの数え方が途切れない:シーズンの途中でトレードされても、Bird・Early Birdの条件となる連続シーズンの数え方は途切れず、移籍先のチームで引き継がれます。
  • ウェーバーでの移籍は条件付き:ウェーバーで移籍した場合、Birdでは3シーズンのうち最初のシーズンでの移籍に限って、数え方が途切れません。Early Birdでは、ウェーバーでの移籍でも途切れません。
  • 1年契約の選手は同意なしにトレードできない:1年契約(オプション年を除く)で、契約終了時にBird・Early Birdの対象になる(またはなりうる)選手は、本人の同意がなければトレードできません。
  • 同意してトレードされると権利を失う:その選手が同意してトレードされた場合、それまでのBird Rightsは失われ、FAとして新しいチームに移ったものとして扱われます。ただし、契約時にこの同意の権利をなくす合意をすることもできます。

※ トレードやウェーバーでの移籍の扱いには細かな条件があります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。

Limits

Bird Rightsがあっても、希望どおりの契約になるとは限らない

  • 選手は他チームとも交渉できる:Bird Rightsは「チームがキャップを超えていても再契約できる」仕組みで、選手を引き留める権利ではありません。FAの選手は、他チームとも交渉できます(制限付きFAの場合は、元のチームが他チームの条件に合わせて引き留める優先権を別に持ちます)。
  • 出せる年俸には上限がある:Birdでも1年目は選手の最高年俸(MAX)までです。Early Bird・Non-Birdでは、さらに低い上限があります。
  • 再契約までの保留額:FAになった自チームの選手は、再契約するまでの間も、前の年俸の一定倍率の金額(保留額)がチームの年俸総額に計上されます。たとえばBirdの対象の選手は、前の年俸が平均年俸以上なら150%、平均年俸未満なら190%です(ルーキー契約を終える1巡目指名選手は別の倍率)。
  • 権利を手放す判断もある:チームは保留額を年俸総額から外す(権利放棄する)ことで、キャップスペースを増やせます。ただし、その選手にはBird系の例外を使えなくなります。
  • 年俸総額の負担:再契約で年俸総額が上がると、ラグジュアリータックスやApronの対象になり、税金や補強手段の制限を受けることがあります。
  • 再契約後のトレード制限:キャップを超えた状態で、Bird・Early Birdを使い前年の年俸の120%を超える年俸で再契約した場合、その選手は契約から3か月後と1月15日の遅いほうまでトレードできません。

関連ガイド:NBAラグジュアリータックスとは?(年俸総額が上がったときの負担)

関連ガイド:NBAの1st Apronと2nd Apronとは?(高額年俸チームへの制限)

関連ガイド:ジョー・スミス事件とは?(2000年の秘密の合意と処分)

Glossary

関連用語

Qualifying Veteran Free Agent
CBA上の正式な呼び方で、Bird Rightsの対象になるFA選手のこと。
Free Agent Amount(保留額)
FAになった自チームの選手について、再契約するまでの間、チームの年俸総額に計上される金額。前の年俸の一定倍率で決まる。
権利放棄(Renounce)
チームがFA選手の保留額を年俸総額から外す手続き。外すとキャップスペースは増えるが、その選手にBird系の例外は使えなくなる。
制限付きFA(RFA)/ クオリファイング・オファー
元のチームがクオリファイング・オファーを出すことで、他チームの条件に合わせて引き留める優先権を持つFA。Non-Birdの上限の計算では、クオリファイング・オファーの額も比べる対象になる。
サイン・アンド・トレード
FA選手が元のチームと契約し、そのまま別のチームへトレードされる取引。Bird系の例外で結んでも、昇給の上限は5%になる。
MAX契約
ルール上もっとも高い年俸で結ぶ契約。Bird Rightsでの再契約は、1年目の年俸をこの上限まで出せる。
ミニマム契約
在籍年数ごとに決められた最低年俸で結ぶ契約。Non-Birdの上限の計算では、最低年俸の120%も比べる対象になる。
サラリーキャップ
1チームが選手に払う年俸総額の基準となる上限。Bird Rightsは、これを超えていても再契約できる例外。

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Official sources

公式一次資料

このページは上記の公式資料をもとにした当サイト独自の解説です。協定の条文を転載・翻訳したものではありません。

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