契約MLE

NBAのMLE(ミッドレベル例外)とは?

労使協定(CBA)と、NBAが作成した労使協定の要点まとめ(CBA 101)で確認できる内容をもとにした、当サイト独自の解説です。

Summary

まず結論

  • ・MLE(ミッドレベル例外)は、サラリーキャップを超えている球団でも、決められた枠の範囲で選手と契約できる例外制度です。
  • ・Non-Taxpayer MLE・Taxpayer MLE・Room MLEの3種類があり、球団の年俸総額の状態によって使えるものが決まります。
  • ・種類によっては、使ったあとその年度は年俸総額を1st Apronまたは2nd Apron以下に保つ必要があります。

ご注意:このページは一般的な制度の解説であり、個別の契約の判断材料ではありません。個別の契約には、ここで扱っていない例外や条件があります。

What it is

MLEとは何か

  • キャップを超えた球団の補強手段:キャップを超えた球団は、キャップスペースを使って他チームの選手と契約できません。MLEを使えば、決められた枠の範囲で、他チームのFA選手などと契約できます。
  • 枠は1年目の年俸の合計:MLEの枠は、契約1年目の年俸の合計にかかります。1人にまとめて使うことも、複数の選手に分けて使うこともできます。
  • 金額は毎年改定:MLEの金額は、サラリーキャップと同じ伸び率で毎年見直されます。このページでは具体的な金額は掲載していません。
  • 昇給の上限は5%:MLEで結ぶ契約の2年目以降の昇給・減額の上限は、1年目の年俸の5%です。

関連ガイド:NBAサラリーキャップとは?(キャップスペースと例外の基本)

Three types

Non-Taxpayer MLE・Taxpayer MLE・Room MLEの違い

Non-Taxpayer MLE
Non-Taxpayer Mid-Level Salary Exception
使える球団の状態:その年度中、一度もキャップを下回っていない球団(使った結果、1st Apronを超えないことが条件)
1年目の年俸の枠:サラリーキャップの9.12%
契約年数:最長4シーズン
トレード等での獲得:トレード・ウェーバーでの獲得にも使える
Taxpayer MLE
Taxpayer Mid-Level Salary Exception
使える球団の状態:その年度中、一度もキャップを下回っておらず、使った直後の年俸総額が1st Apronを超える球団(2nd Apronを超えないことが条件)
1年目の年俸の枠:Non-Taxpayer MLEより小さい定額(キャップの伸びに合わせて毎年改定)
契約年数:最長2シーズン
トレード等での獲得:契約に使う(トレード等での獲得はCBA 101に記載なし)
Room MLE
Mid-Level Salary Exception for Room Teams
使える球団の状態:その年度中に年俸総額がキャップを下回ったことがある球団(キャップスペースを使った球団など)
1年目の年俸の枠:サラリーキャップの5.678%
契約年数:最長3シーズン
トレード等での獲得:トレード・ウェーバーでの獲得にも使える
  • 同じ年度に組み合わせて使えない:Room MLEを使った球団は、その年度にNon-Taxpayer MLE・Taxpayer MLEを使えません。反対に、Non-Taxpayer MLE・Taxpayer MLE・Bi-annual Exceptionを使った球団は、その年度にRoom MLEを使えません。
  • キャップを下回った時点で決まる:年度中に一度でも年俸総額がキャップを下回った球団は、その年度はRoom MLEだけが対象になります。
  • Non-Taxpayer MLEがTaxpayer MLE扱いになる場合:Non-Taxpayer MLEで、2シーズン以内・Taxpayer MLEの枠以内の契約だけを結び、ほかに1st Apronを超えられなくなる取引をしていない球団は、年俸総額が1st Apronを超えた場合、Taxpayer MLEを使ったものとして扱われます。

※ それぞれの例外を使える条件には細かな決まりがあります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。

Aprons

1st Apron・2nd Apronとの関係

MLEの種類によって、超えてはいけないApronが異なります。

  • Non-Taxpayer MLE:使った直後の年俸総額が1st Apronを超える場合は使えません。1st Apronの対象となる取引の1つです。
  • Taxpayer MLE:使った直後の年俸総額が2nd Apronを超える場合は使えません。2nd Apronの対象となる取引の1つです。
  • Taxpayer MLEを使ったあと:Taxpayer MLEを使った球団は、その年度は1st Apronの対象となる補強手段(Non-Taxpayer MLE、Bi-annual Exception、サイン・アンド・トレードでの獲得など)を使えなくなります。

関連ガイド:NBAの1st Apronと2nd Apronとは?(Apronの対象となる取引)

Hard limit

使ったあと、その年度は年俸総額の上限が固定される条件

CBAやCBA 101には「ハードキャップ」という言葉は出てきません。公式資料で確認できるのは、次の条件です。

  • Non-Taxpayer MLEを使った場合:その年度が終わるまで、年俸総額を1st Apron以下に保つ必要があります(上で説明した、Taxpayer MLEを使ったものとして扱われる場合を除く)。
  • Taxpayer MLEを使った場合:その年度が終わるまで、年俸総額を2nd Apron以下に保つ必要があります。
  • 判定に使う年俸総額:ここでの年俸総額は、Apronの判定に使う年俸総額(Apron Team Salary)です。

※ 年度の区切りや判定に使う年俸総額の調整には細かな決まりがあります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。

Compared with

Bird Rights・ミニマム契約・サイン・アンド・トレードとの違い

  • Bird Rightsとの違い:Bird Rightsは自チームのFA選手との再契約に使う例外で、1年目は選手の最高年俸まで出せます。MLEは、他チームの選手を含めて使えますが、決められた枠の範囲に限られます。
  • ミニマム契約との違い:最低年俸での契約は、キャップの状況にかかわらず使える別の例外(Minimum Player Salary Exception)で結べます。MLEの枠を使わずに選手を加える手段です。
  • サイン・アンド・トレードとの違い:サイン・アンド・トレードは、FA選手が元のチームと契約してから別のチームへトレードされる取引です。MLEとは別の仕組みで、獲得する側の球団は、取引の結果1st Apronを超える場合は使えません。

関連ガイド:NBAのBird Rightsとは?(自チームのFA選手との再契約)

関連ガイド:NBAのミニマム契約とは?(最低年俸での契約)

Glossary

関連用語

MLE(Mid-Level Exception)
キャップを超えた球団などが、決められた枠の範囲で選手と契約できる例外。3種類あり、球団の状態でどれを使えるかが決まる。
Room Team(ルームチーム)
年度中に年俸総額がサラリーキャップを下回り、キャップスペースを使える状態になった球団。Room MLEを使う。
Apron Team Salary
Apronの判定に使う年俸総額。通常の年俸総額をもとに、FA選手の保留額などを除くといった調整をした額。
Bi-annual Exception
キャップを超えた球団が使える別の例外。MLEと同じく、1st Apronの対象となる取引に含まれる。
1st Apron / 2nd Apron
タックスラインより上に設定された2つの基準額。MLEの種類によって、どちらを超えないことが条件になるかが変わる。
Bird Rights
自チームのFA選手と、キャップを超えていても再契約できる例外。MLEと違い、他チームの選手には使えない。
ミニマム契約
最低年俸で結ぶ契約。キャップの状況にかかわらず使える別の例外(Minimum Player Salary Exception)で結べる。
サラリーキャップ
1チームが選手に払う年俸総額の基準となる上限。MLEは、これを超えた球団などが使う例外の1つ。

リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。

Official sources

公式一次資料

このページは上記の公式資料をもとにした当サイト独自の解説です。協定の条文を転載・翻訳したものではありません。

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