NBAのRFAとUFAとは?
労使協定(CBA)と、NBAが作成した労使協定の要点まとめ(CBA 101)で確認できる内容をもとにした、当サイト独自の解説です。
Summary
まず結論
- ・RFA(制限付きフリーエージェント)は、他球団と交渉できるものの、元のチームが同じ条件で引き留められる(マッチできる)FA選手です。
- ・UFA(無制限フリーエージェント)は、どの球団とも自由に契約でき、元のチームにマッチ権がないFA選手です。
- ・RFAは、元のチームがクオリファイング・オファー(QO)を提示することで成立します。
ご注意:このページは一般的な制度の解説であり、個別の契約の判断材料ではありません。個別の契約には、ここで扱っていない例外や条件があります。
RFA vs. UFA
RFAとUFAの違い
どちらも他球団と交渉できるFA選手ですが、元のチームにマッチ権(Right of First Refusal)があるかどうかが大きな違いです。
| 項目 | RFA(制限付き) | UFA(無制限) |
|---|---|---|
| 他球団との交渉 | できる | できる |
| 元のチームのマッチ権 | ある(他球団のオファーシートと同じ条件で引き留められる) | ない |
| 成立の条件 | 在籍年数などの条件を満たす選手に、元のチームがクオリファイング・オファーを提示する | マッチ権の対象にならないFA選手 |
| 他球団と合意したとき | オファーシートを元のチームに示し、元のチームがマッチするかどうかを決める | そのまま他球団と契約できる |
- 他球団との交渉
- RFA:できる
- UFA:できる
- 元のチームのマッチ権
- RFA:ある(他球団のオファーシートと同じ条件で引き留められる)
- UFA:ない
- 成立の条件
- RFA:在籍年数などの条件を満たす選手に、元のチームがクオリファイング・オファーを提示する
- UFA:マッチ権の対象にならないFA選手
- 他球団と合意したとき
- RFA:オファーシートを元のチームに示し、元のチームがマッチするかどうかを決める
- UFA:そのまま他球団と契約できる
Qualifying offer
RFAになる条件とクオリファイング・オファー(QO)
契約を終えた選手がRFAになるのは、選手側の条件を満たし、さらに元のチームがQOを提示した場合です。
- 選手側の条件:在籍年数が3年以下、ルーキー契約(Rookie Scale Contract)を終える、Two-Way契約を終える、のいずれかに当てはまる選手が対象です。ただし、ルーキー契約の3年目・4年目のチームオプションが行使されなかった1巡目指名選手は除かれます。
- QOの提示が必要:元のチームがQOを提示して、初めてRFAになります。条件を満たしていても、QOが提示されなければマッチ権は生まれません。
- QOは1年契約のオファー:QOは、元のチームが選手に示す1年契約のオファーです。選手はQOに署名して、1年契約で元のチームに残ることもできます。
- QOの年俸の決まり方:QOの年俸は、選手の前年の年俸や最低年俸などをもとに、CBAで決められた方法で計算されます。ルーキー契約を終える1巡目指名選手と、それ以外の選手では決め方が異なります。
※ ルーキー契約を終える選手やTwo-Way契約の選手のQOには、成績などによる別の決まりがあります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。
Offer sheet & matching
オファーシートとマッチングの流れ
RFAの選手が他球団と条件で合意したときは、次の流れで所属先が決まります。
- 1他球団と合意RFAの選手が、他球団から受け入れたい契約のオファーを受ける。
- 2オファーシートを提出選手と他球団は、その契約条件をオファーシートとして元のチームに示す。オファーシートは原則として2シーズン以上(オプション年を除く)の契約でなければならない。
- 3元のチームが判断元のチームは、決められた期限までに、同じ条件で契約するか(マッチ)どうかを決める。
- 4所属先が決まるマッチすれば元のチームとオファーシートの条件で契約したことになり、マッチしなければ他球団との契約になる。
- マッチの期限:オファーシートが正午(米東部時間)より前に示された場合は翌日の午後11時59分まで、正午以降なら2日後の午後11時59分までです。モラトリアム期間中に示されたオファーシートは、7月6日の正午より前に示されたものとして扱われます。
- マッチは同じ条件で:元のチームが引き留める場合は、オファーシートに書かれた条件のまま契約することになります。
※ 元のチームが最高年俸のQOもあわせて提示した場合など、オファーシートの年数には別の決まりがあります。詳細な条件は公式CBA・CBA 101を参照してください。
Unrestricted
UFA(無制限フリーエージェント)とは
- マッチ権の対象にならないFA:CBAでは、どのチームのマッチ権の対象にもならないFA選手をUFAと定めています。
- どの球団とも自由に契約できる:UFAは、FAの交渉期間が始まればどの球団とも交渉でき、モラトリアム期間が終われば契約を結べます。
- 元のチームにマッチ権はない:他球団のオファーに対して、元のチームが同じ条件で引き留める権利はありません(元のチームがBird Rightsなどの例外を使って再契約できる場合はあります)。また、個別の契約の中に、契約終了後のマッチ権などの移籍制限を盛り込むことはCBAで認められていません。
Bird rights
Bird Rightsとの関係
- 決まり方の基準が違う:RFAかUFAかは、在籍年数や契約の種類とQOの提示で決まります。一方、Bird・Early Bird・Non-Birdのどれを使えるかは、同じチームで何シーズン続けてプレーしたかで決まります。両者は別の基準です。
- Non-Birdの上限とQO:BirdにもEarly Birdにも当たらない自チームのFA選手(Non-Bird)と再契約する場合、1年目の年俸の上限を決める比較の対象には、その選手がRFAならQOの額も含まれます。
関連ガイド:NBAのBird Rightsとは?(自チームのFA選手との再契約)
Glossary
関連用語
- RFA(制限付きフリーエージェント)
- 元のチームがマッチ権(Right of First Refusal)を持つFA選手。CBAでは Restricted Free Agent。
- UFA(無制限フリーエージェント)
- どのチームのマッチ権の対象にもならないFA選手。CBAでは Unrestricted Free Agent。
- クオリファイング・オファー(QO)
- 元のチームが選手に提示する1年契約のオファー。これを提示することで、元のチームはマッチ権を得る。選手はこのオファーに署名して、1年契約で残ることもできる。
- オファーシート(Offer Sheet)
- RFAの選手と他球団が合意した契約条件をまとめ、元のチームに示す書面。原則として2シーズン以上(オプション年を除く)の契約でなければならない。
- マッチング(Right of First Refusal)
- 元のチームが、オファーシートと同じ条件で選手と契約する権利。期限内にマッチすれば元のチームとの契約になり、マッチしなければ他球団との契約になる。
- モラトリアム期間
- FA交渉は始められるが、多くの契約はまだ結べない期間。7月6日の午後0時1分(米東部時間)に終わる。
- Years of Service(在籍年数)
- NBAでの経験年数。RFAになれるかどうかの条件の1つ(3年以下)に使われる。
- Bird Rights
- 自チームのFA選手と、キャップを超えていても再契約できる仕組み。RFAかUFAかとは別の基準で決まる。
リンクのない用語の詳しいガイドは準備中です。
Official sources
公式一次資料
- 2023 NBA Collective Bargaining Agreement(PDF・英語) ↗
NBA ・ 2023年7月1日発効(2029-30シーズンまで)
第1条(Article I):Free Agent・Restricted Free Agent・Unrestricted Free Agent の定義/第11条(Article XI):フリーエージェント(交渉の時期、クオリファイング・オファー、制限付きFA)
- CBA 101: Highlights of the Collective Bargaining Agreement(PDF・英語) ↗
NBA ・ 2024年11月作成
II.N「Free Agency」:交渉と契約の時期、制限付きFAの条件、クオリファイング・オファー、オファーシートとマッチング
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